【告知】展示でたどるみちのく潮風トレイル
展示でたどるみちのく潮風トレイル
■期間 2025年10月22日(月)~12月22日(月)
■協力 武蔵野美術大学教養文化・学芸員課程教授 加藤幸治氏
みちのく潮風トレイルをテーマとした企画展を開催します。
みちのく潮風トレイルを紹介する展示ブースを館内に設置します。大規模な展示パネルを通してみちのく潮風トレイルの魅力をご紹介します。さらに、武蔵野美術大学の加藤幸治教授にご協力をいただき、民俗学の視点でトレイルを紹介する動画展示を行います。ぜひご覧ください。
■ 動画展示『時速4キロのフィールドワーク』 ―「みちのく潮風トレイル」を歩くー
不自由なカメラを担いで歩く
かつて日本中を歩いて、人が見過ごしたものに目を向けながら、名もなき人々の話に耳を傾けた民俗学者がいた。歩いた道を赤ペンでなぞったら日本地図が真っ赤になったという宮本常一。その “あるく みる きく”の精神に学びながら、みちのく潮風トレイルの阿武隈川から北上川までのエリアを、デイハイクでつなぎながら歩いている。相棒はゼンザブロニカ、1960年代の中判カメラである。露出計で測定して手動で設定、バネ式シャッターは手ブレしやすく、フィルム1本で12枚しか撮れない。フィルム代も現像代も高いうえ、持ち歩くには肩がこるほど重たい。スマホでなんでも調べられ、自動車でどこへでも行ける時代にあって、あえて不自由なカメラとともに歩いていく。すると、目の前の風景に蓄積された、時間の重みが感じられるようになる。気がついたことがあれば人に尋ね、わからなければ調べてみる。時速4キロ以下で歩きながら、“みちのく”の自然と文化が見えてくる。
武蔵野美術大学教授 加藤幸治
展示制作者プロフィール
加藤幸治 Kato Koji
武蔵野美術大学教養文化・学芸員課程 教授
1973年、静岡県浜松市生まれ。武蔵野美術大学教養文化・学芸員課程教授、美術館・図書館副館長。専門は民俗学、博物館学。
最近の著書・編著に、『民俗学 パブリック編:みずから学び、実践する』(武蔵野美術大学出版局 2025年)、日髙真吾・加藤幸治編『民具のミカタ博覧会 見つけて、みつめて、知恵の素:デザインから読み解く、日本と世界のくらしの造形』(誠文堂新光社 2025年)、『津波とクジラとペンギンと:東日本大震災10年、牡鹿半島・鮎川の地域文化』(社会評論社 2021年)などがある。
最近の著書・編著に、『民俗学 パブリック編:みずから学び、実践する』(武蔵野美術大学出版局 2025年)、日髙真吾・加藤幸治編『民具のミカタ博覧会 見つけて、みつめて、知恵の素:デザインから読み解く、日本と世界のくらしの造形』(誠文堂新光社 2025年)、『津波とクジラとペンギンと:東日本大震災10年、牡鹿半島・鮎川の地域文化』(社会評論社 2021年)などがある。