◆セミナー報告|教えて阿部先生! 三陸の海の環境と生き物たち

8月8日(土)に南三陸町自然環境活用センターから研究員の阿部拓三先生をお招きし、三陸の海の生き物をテーマにセミナーを開催しました。

セミナーの前半では、「海藻」と「海草」の違いと海の環境について学びました。

海藻は植物の根のようなものを持たず、岩にくっつくための器官を持ち、胞子で増えます。食べるととてもおいしいワカメや昆布、ヒジキなどは海藻に分類され、根を持たないため岩場に生息しています。

海草は地上の植物に近い根を持ち、植物と同じように種で増えるそうです。ジュゴンのごはんとして有名なアマモは海草にあたり、海草は海藻が生息することのできない砂場の浅瀬に生息しています。

海藻と海草が作り出す海の森は、海の生物にとって住処や餌場などになり、とても重要な役割を果たしています。海の生態系を守るため、海藻と海草を保全する必要があることを教えていただきました。

セミナーの後半では、阿部先生が調査に行く際の装備や調査の様子、調査の成果を解説していただきました、海の中での調査は大変で、潜ると上と下がわからなくなってしまうことがあり、また装備品の使い方を誤ると事故につながってしまうそうです。

セミナー中のとある一場面。体長2センチほどの小さなダンゴウオを撮影した写真が映し出されました。参加者は目を凝らしてダンゴウオを探しますがなかなか見つかりません。ダンゴウオの擬態能力に感心すると同時に、先生が海の中で、見事な擬態能力を持つ魚を見つけていることに驚きました。

参加者のみなさんは、普段見ることのできない海の中の様子を知ることができました。専門家の実体験を直接聞き、また実物の魚の標本を見たことで、より一層三陸の海への興味を深めることができたようです。

講師プロフィール

阿部拓三 氏

南三陸自然環境活用センター研究員

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