◆ブログ|牡鹿半島釣行記・鮎川編 ~初心者だけど魚を釣りたい~
魚影の正体を知りたい
鮎川港の岸壁をのぞきこむと小さな魚影をよく見かけます。
メジナの幼魚かな?タナゴかな?
そんなことを考えながら海の様子を見るのが散歩をするときの決まりごとです。
この夏から開始した岸壁採集では主にたも網を使うのですが、これらの魚はとてもすばしこく、なかなか掬うことができません。
(網で捕まえられないなら釣り針に引っ掛けてしまえばいいのでは?)
とても安直な発想ですが、アイデアが浮かべば後は行動あるのみ。
気持ちの良い秋晴れの空が広がる10月20日、私は釣り竿を片手に鮎川港に飛び出しました。
青空が似合う船、それは利丸。
釣ろうと思ったけど
ビジターセンターから鮎川港までは徒歩にして1分足らず。
道具さえあれば、すぐに釣りをすることができます。
目当ての場所に向かったのですが、私はそこで絶句しました。
(釣りたいという気持ちと)道具さえあれば釣れる!
だったはずが、とても釣り糸を垂らせるような状況ではなく……
一度ビジターセンターに戻り、体勢を立て直すことに。
センターに戻るなり「もう釣れたのー?!」と冗談半分で出迎えてもらったのですが、
事情を説明すると雰囲気が一変。
なんと、強力な助っ人が参戦してくれることになりました。
***
現場にやってきた助っ人・K女史は生粋の釣り人。
海を愛する彼女にとって、このゴミ溜まりはがっかりしてしまう光景だったようです。
海水を含んだゴミは重量があり、柄を伸ばしたたも網では少々頼りなく感じましたが、K女史は意にも介さない様子。
力強く、手際よく、さくさくとゴミを回収していきます。
私は回収してもらったゴミの分別に徹することにしました。
ゴミの多くは可燃ゴミ、ペットボトルなのですが、
時には流れ藻も回収しなければいけないときがあります。
流れ藻は生き物が外敵から身を隠す場所。
できれば海に戻したいのですが、プラスチック片やPPロープをすべて取り除くのは難しく、今回はそのまま持ち帰ることにしました。
そして、ゴミを掬い続けること一時間。
海の中が見えるようになったところでゴミ拾いは終了です。
◆結果発表◆
・燃えるゴミ 1.5袋
・ペットボトル 1袋
・ビンカン 0.5袋
・燃えないゴミ 0.5袋
大漁 大量!
そしてK女史、ゴミ拾いを終えるや否やさくっとキヌバリを捕獲して去っていきました。かっこいい……。
本題です。
今日の目的は釣りです。
すばしこい小さな魚の正体はなんでしょうか。
さっそく、見よう見まねで覚えた釣りの準備をします。
ドキドキしながら仕掛けを投入。
しばし待ちます。
が、なかなか釣れる気配がありません……。
しばらくすると、K女史が様子を見に来てくれました。
アドバイス通りに何度もしゃくると、どんどん魚が寄ってきました。
しかしながら、仕掛けをつつく様子は確認できるのですが、全くアタリが来ません。
さらにシモリ玉がつつかれる始末。
からかわれている……?
女史が戻ってから、かれこれ30分以上は粘ったでしょうか。このカゴが空になったら帰ろうかな……と諦めかけたそのときです。
ブルブル!と手元が震え、慌ててリールを巻きました。
狙っていた魚影とは全く違う気がしますが、釣れました……!
弱ってしまう前に連れ帰りたかったので、急いでバケツを持ってセンターに戻りました。
もうひとつのねらい
私の魚釣りの目的は食べることではありません。
当館には海水水槽が設置されています。
SNSで発信したことがあるので、もしかしたらご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この水槽は「鮎川漁港に棲む生き物でビオトープをつくろう!」をスローガンに、主に岸壁採集で捕獲した生き物を展示するために立ち上げられました。
今回捕まえたキヌバリとウミタナゴは、当館で飼育するためにお持ち帰りされました。
海水温が想像以上に低かったため、時間をかけながら丁寧に水合わせ。
無事水槽に移動させることができました。
今後は、魚と私たち双方に無理のないように仲間を増やしていく予定です。
ビジターセンターにお越しの際はぜひご覧ください!
おまけ・反省会
どうして小さな魚影が釣れなかったのかずっと考えていたのですが、
おそらく魚に対して針が大きすぎるのではないか、という結論に落ち着きました。
使っていた仕掛けは6号針だったので、小さな魚はかかるはずもなく……
私でもしゃもじでカレーライスを食べろと言われたら困惑します。
魚の気持ちを考える、というのは大事なことですね。