◆イベント報告|おしか大学vol.3 鮎川の年中行事と七福神舞
11月12日に武蔵野美術大学の加藤幸治教授を講師にお迎えして、鮎川の年中行事について学ぶセミナーを開催しました。
東日本大震災大震災以降、文化財レスキューのために鮎川に携わってきた加藤先生は
鮎川に伝わる芸能や、私たちが何気なく使っていることばがとても素敵な文化だと言います。
大好きな七福神舞
鮎川の七福神舞は神に奉納する形をとりつつも、
鯨まつりや金華山黄金山神社の初巳大祭で披露するためにエンターテインメントとして舞われたそうです。
また、三陸海岸の各地で大黒舞やエビス舞が伝承されていますが、
鮎川では七福神すべてが平等に舞を披露するのがこの地域らしさであると教えてくださいました。
大好きな鮎川の「ことば」
加藤先生が特に面白いと感じるのが鮎川の「ことば」。
牡鹿半島はリアス海岸の入り組んだ海岸線や複雑な海底の地形、潮流、気象などの諸条件が生活の土台となっています。
加藤先生は風や気象に対する敏感さと、風の名称の豊富さに驚くばかりだそうです。
記憶をたどれば、漁師だった祖父が雲をみながら明日の天気を教えてくれてくれたことを思い出しました。
無意識のうちに使っていた地域のことばを認識することはなかなか難しく、
他の地域の視点を通して地域の魅力として発信してもらえることはくすぐったくも、とてもありがたいことです。
住民や職業人の間だけで通用する言葉は民族語彙(フォークターム)といいます。
生活の実感や自然観、環境への認識を含むものであり、日常会話の中で今も使われていることはとても大事なことだそうです。
牡鹿半島ビジターセンターでは、「くじらことばボキャブラリー」コーナーでたくさんの言葉を紹介しています。
武蔵野美術大学のみなさんがデザインしてくださったカードは、語感を楽しみながら地域のくらしをイメージすることができます。
お越しの際はぜひ牡鹿半島のことばに触れてみてください。
鮎川七福神舞
セミナー後半では、七福神舞保存会に演舞を披露していただきました!
レジェンドのみなさんの舞に会場は大いに盛り上がりました!
鮎川らしさを探して
私たちの生活の歴史には鮎川らしさが刻まれています。
何気なく使っていることば、七福神舞のように今も生きている文化、季節ごとに楽しみにしている食文化や復活させたい年中行事、そして思い出の中の風景。
地域に住んでいる人、震災を機に地域を離れてしまった人、遠くから応援してくれている人……
みんなでふるさとの生活を掘り起こし、鮎川らしさを大切にしていきたいですね。
加藤先生、七福神舞保存会のみなさん、ありがとうございました!