密着!みちのく潮風トレイルのルート整備

10月21日(土)、石巻山の会のみなさんにご協力いただき、みちのく潮風トレイルの刈払いのようすを取材させていただきました。

この日は朝8時に鮎川港に集合して金華山へ。
到着後、会長の菅野さんよりルートと工程を共有されました。

今回のルート。二手に分かれて頂上を目指します。

私は黄金山神社を出発し、反時計回り(赤矢印)ルートを歩きました。

さあ、いよいよ作業開始です!

1区間を3人でブロック分けして草を刈り、1人は仮残し処理するという作業をルート上で繰り返します。
刈られた草は竹の棒で道端へ除けます。

なかには、道が見えなくなるほど草が生い茂った場所もあります。
先頭からの景色を見てごらんと勧められ、刈られる前の道を歩くことでルート整備の偉大さを痛感しました。

正しく、道をつくっている真最中です。

さらにこのルート整備では草の刈払いだけではなく、登山道の崩落の報告や倒木の処理なども行います。

幅がとても狭く、今にも滑り落ちそうな歩道でした。
ニノ御殿を目前にして、道をふさぐ倒木を発見。
手持ちの工具では処理できなかったため、後日改めて対応することになりました。

ニノ御殿に到着。おやつを食べたり、おしゃべりを楽しんだり……。

休憩を終え、ここからさらに奥の院を目指します。
急勾配が続き、後ろを追いかける私は止まっては歩きを何度も繰り返しました。
実は私も刈った草を道脇に除ける作業を体験させていただいたのですが、着いていくだけでも一苦労。
刈払い機を持って移動する方はどれほどの体力を要するのでしょうか。

写真で見るとそれほどでもないように見えますが、(私は)なかなかつらかったです。

山の会さんがずいぶん遠くに……。

奥の院に辿り着き、トレイルルートの刈払い作業は終了です。

★★★
帰りの船までに時間があるので、スペシャルな寄り道をしてきました。

頂上付近の展望地にて。みなさん素敵な笑顔です!

山の会のみなさんは刈払い作業をしながら、植物や生き物との出会い、美しい景色を楽しんでいます。
今回の自然との出会いの一部をご紹介します。


ヤママユ

フォトスポット:頂上付近の木のうろから眺める水平線

アキノキリンソウでしょうか?

苦~いお茶で有名なセンブリ

フンチュウ(ダイコクコガネ)の仲間
金華山といえばオオセンチコガネの印象が強いので、出会えたときは感激しました!

樹の根の下はなんともきれいな岩盤でした。

植物や景色を眺めていると疲れも気にならないよ、というお話も納得です。
そのものを楽しむことはもちろん、みなさんと共有しながら歩けたことが何よりうれしいと思いました。

★★★

お昼に近づくにつれ、たくさんの山登りをする方とすれ違いました。
挨拶を交わしたり、時には疲れている人を励ましたり。

何でもないようにしていましたが、自分たちが整備した道を歩いて楽しんでくれるとやはり達成感があるそうです。
その誇りに満ちた表情が印象的でした。

山の会のみなさんは山が好きという気持ちを言動力にして整備活動を続けていますが、定年を迎え、体力的に厳しい方が多いのも事実。
菅野さんはもっと多くの人や団体が関わり、トレイルルートの維持管理をしていけるといい、とお話してくださいました。
地域の人や山を愛する人、トレイルを楽しむ人も一丸となってみちのく潮風トレイルの道を繋いでいけたらいいですね。

行動に移すことはなかなか難しいと思いますが、ぜひ今回のお話を思い出しながらトレイルの道を歩いていただけると嬉しいです。


取材協力
石巻山の会 Ishinomaki Yamanokai

会長 菅野正雄さん

石巻山の会の皆さん
(後列左から 岡良一さん・高橋敏男さん・菊地勝則さん・渡邉正一さん・桜田友範さん)
(前列左から:佐々木武男さん・石森康一郎さん・岡勝子さん・中里竹子さん)

日本全国の山を登り、日本百名山の制覇を目標としている会員もいます。
山に対する思いは人によって違うので、目標設定の仕方・楽しみ方も様々です。
長きにわたって石巻地区の山々に関わり続け、登山道の整備や地域活動も行っています。
実はみちのく潮風トレイルのルートを設定する際、牡鹿半島エリアの離島3島を提案されたのも石巻山の会さんです!

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