◆ブログ|浜のお茶っこ会プチver. 「エゴマ餅(じゅうねんもち)」を食べてみよう!

12月6日(火)に牡鹿半島にあったとされる行事「アブラジメ」の際に食べられていたとされる「エゴマ餅(じゅうねんもち)」を食べてみる企画を実施しました。
アブラジメという行事があること、じゅうねんもちはエゴマを使った餅であることのみが情報であったため、まず調べて作ってみるところからスタートしました。

「アブラジメ」について
11月15日に実施されていた行事。菜種、ゴマ、エゴマ、ツバキの油をしぼってアブラジメ餅を神棚に供えて、家族みんなで食べる。
という行事だったといわれています。この時に食べられていた餅が「エゴマ餅(じゅうねんもち)」。

エゴマ餅(じゅうねんもち)について
餅に、エゴマの実を細かくし、水と玉砂糖で溶いたものをかけたもの。(塩や醤油も隠し味として使う)
エゴマが貴重なため高級品扱いだった。

意外と情報が少ない。じゅうねんもちと検索すると、宮城県の郷土料理としてのレシピを発見。ビジターセンターの本にも似たレシピが載っていたので作ってみることに。
材料はシンプル。すりエゴマ100gに砂糖40g、そこに塩と醤油を少々。少し水を加えて加熱しながら好みの粘度に仕上げるだけ。



じゅうねんもち完成!
エゴマ自体は、非常に独特な香りでゴマとはかけ離れていました。独特な青臭い匂いのするきな粉のようなイメージですね。
良い匂いではあるとは思いますが、人を選ぶ香りだと思います。
しかし、砂糖を混ぜて餡にすると独特な香りと甘さが思ったよりも合う。
粉自体に油分が多いからか、旨味も感じるようになりそこそこおいしい味に仕上がりました!

【イベント当日提供ver】
エゴマの香りに玉砂糖の甘味が調和していた。ゴマ餅よりあっさりしていて、きな粉餅よりこくがある絶妙なうまさ。


【お試し玉砂糖多め+エゴマ油の揚げ餅】
餅に粘度の高いエゴマ餡が絡まっておいしいが、玉砂糖の風味が強くエゴマの風味が負けてしまった。


イベントの日

イベントの日、じゅうねんもちを鮎川在住のご夫婦に食べてもらいました!
食べたのが昔すぎて、味が合っているかはわからないけど、見た目はあっていると思うが、
エゴマの実の色はもっと白かった気がするとご意見をいただきました。
鮎川で栽培されていたエゴマの実と通販で購入したエゴマの実に品種の違いがあるかもしれないと思い調べてみました。

エゴマ栽培と品種
鮎川で金華山観光が大きく動き出す前の時代、多くの住民が畑で野菜を作っていて、その中に
エゴマもあったそうです。エゴマは「じゅうねん」と呼ばれ、その実を食べていました。
エゴマに実がつくのは10月~11月頃であるため、その収穫時期に合わせてアブラジメが行われていました。
エゴマには白種と黒種というものがあり、牡鹿半島では白種が使われていたのかもしれません。

アブラジメについて
今回参加された地元住民の方からは、アブラジメという行事そのものをご存じありませんでした。
鮎川は、様々な地域から移住している人が多いためそこから持ち込まれた可能性もありそうですね。
幅広く聞き取り調査をしていきたいです。

エゴマ餅(じゅうねんもち)について
11月~正月までの間に食べられていたそうです。ほかには、半島内で沢山採集できるオニグルミのクルミ餅、小豆餅、きな粉餅が主流。
アブラジメ関係なく、エゴマの実が取れた際に作って食べ、家庭によっては
味噌と混ぜ「じゅうねんみそ」にして、焼きみそおにぎりなどを作ったというお話もありました。
じゅうねんみそはいまでも商品として福島県などでつくられているようです。

まとめ
・牡鹿半島ではアブラジメを行っている家庭とそうでない家庭がある
・エゴマ餅はよく食べられていた。
・エゴマ栽培はおそらく白種で行われていて、油ではなく粉として利用されていた。

今回は鮎川にお住まいの方々にお話しを聞いたため、機会があれば他の集落の方にもお話を聞いていきたいですね。

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